肩甲骨ダイエットというダイエット方法をご存知でしょうか。
このダイエット方法は肩甲骨を鍛えることでダイエット効果を高めるというそのままの意味になりますが、うまく取り入れるにはいくつかのポイントがあります。
今回は肩甲骨ダイエットについて、なぜ肩甲骨を鍛えることでダイエット効果が高まるのか、その理由や鍛えるメリットと自宅で簡単に取り入れられる肩甲骨はがしストレッチのやり方5選を動画付きで解説します。
目次
肩甲骨の役割と働き
肩甲骨はがしという言葉を耳にするようになり、肩甲骨の状態を悪化させることによる影響などはなんとなく理解していると思います。
肩甲骨は背中の上部にある大きな骨、少し両肩を後ろに引き押すと大きく動くのが肩甲骨です。
左右についていて、普段の生活の中で腕の上げ下げや、腕を回す運動をサポートしています。
肩甲骨の筋肉は背骨、そして菱形筋(りょうけいきん)の働きから本来の位置に固定することができているのですが、普段あまり意識することのない肩甲骨、筋肉が固まり動きが鈍くなると様々な影響を及ぼしてしまいます。
肩甲骨とダイエットの関係
肩甲骨の動きが硬くなると初めに症状として現れるのは肩こりです。
重度の肩こりは頭痛の原因にもなり、さらには腕が重たいといった不快な症状も発症させます。
筋肉のコリや硬くなるといった状態は全身どの筋肉も避けるべきことですが、肩甲骨はがしから全身に与える影響が大きいことから、最近では肩甲骨を意識した健康法、ダイエット法が注目されているのです。
肩甲骨ダイエットとは可動域を広げるエクササイズ
これらのことから肩甲骨ダイエットとは、
肩甲骨周りの筋肉をストレッチしてやることで、動きをよくして、ダイエットを行うというエクササイズ
になります。
肩甲骨の可動域を広げるとダイエット効果につながってくるのです。
肩甲骨の可動域が狭いとどうなる?
では、そもそも肩甲骨の動きが悪い、すなわち可動域が狭いと、どのような症状に繋がってしまうのか見ていきましょう。
肩こり、猫背につながる
意識しないとなかなか十分に筋肉を動かすことのできない肩甲骨は、筋肉が固まることで筋肉の周辺の血行を阻害してしまいます。
血流が悪くなることでさらに筋肉の活動を低下させてしまい、肩こりの症状が現れます。
肩甲骨の筋肉のコリの原因となるのが、長時間のデスクワークや多くの方が手にしているスマートフォンの操作です。
姿勢が固定されることも原因ですが、姿勢が前かがみにあることで、肩甲骨を十分に動かすことができなくなるのです。
こうした生活習慣が続くことで、肩甲骨は内側へ内側へ位置を変えていきます。肩甲骨が本来に位置に固定できなくなることから、全身の血行不良の原因にもなる猫背になってしまうこともあります。
体の歪み、たるみの原因になる
背骨が歪み猫背になることで、体の中心に位置する骨盤の歪みを引き起こします。
特に女性は骨盤の状態を変化させる妊娠や出産なども経験することから、骨盤ケアは徹底して行わないといけないのですが、長時間のデスクワーク、スマートフォンの操作が続き、肩甲骨の位置がずれることも要因の1つになることをしっかり考えておきましょう。
猫背の状態が続くと、血行不良を引き起こし代謝活動、内臓機能低下だけでなく顔の筋肉にも影響してしまい、見た目年齢をグンと下げる顔のたるみも引き起こします。
落としにくい背中に脂肪がつく
ボディラインを気にして鏡に全身を写した時に、気になるのは背中の脂肪です。
前面に存在しているわけではないので、鏡などに写すときや意識して手で触らないとなかなか背中の脂肪は気にしない部位でもあります。
しかし付いてしまうと落としにくい背中の脂肪、なぜ背中に脂肪がつきやすくなるかという点も肩甲骨の状態は関係しています。
肩甲骨を十分に刺激せずに、筋肉が固まり凝ってしまうと同時に菱形筋も固まってしまいます。
菱形筋は筋肉の脂肪燃焼をサポートする筋肉なので、脂肪燃焼作用が低下する原因になってしまうのです。
そこで背中に脂肪が付きやすくなってしまう体質に変わってしまいます。
ウエスト周りの脂肪がつく
意識低下から肩甲骨の筋肉が固まり、凝ってしまうことから姿勢が悪くなり猫背になってしまい、全身の血行不良を起こしてしまう。
こうした状態から脂肪燃焼作用低下を引き起こし、体に脂肪を溜め込みやすくなると、腹筋も弱まり、キュッと引き締まったウエストを手に入れたくても難しくなります。
知識を持ち、行動を変えなければ腹筋も弱まり、さらに体をうまく支えられずに猫背の状態が悪化してしまい、全ての循環作用を低下させ続けていくことになるのです。
肩甲骨はがしから期待できるダイエット効果
では、「肩甲骨はがし」という言葉がありますが、肩甲骨をどのように動かし鍛えることで、肩甲骨はがしの本来の効果を期待できるのでしょうか。
今では肩甲骨を意識したトレーニング法、ストレッチ法が数多く紹介されていますが、全ては肩甲骨周辺にある褐色脂肪細胞を活性化させる目的で行われています。
これまで意識していなかった肩甲骨をしっかり鍛えることで
脂肪燃焼効果を高める褐色脂肪細胞の活動を高める=全身の健康効果にダイエット効果が高まる
というわけです。
脂肪燃焼効果を高める
肩甲骨を鍛えることで褐色脂肪細胞の活動を高めることができるのですが、名前に脂肪という言葉が使われているので、活動を活発にしたところでダイエット効果が期待できるのか少し疑問に感じます。
褐色脂肪細胞はミトコンドリアが多く含まれる脂肪で、体内で肥満を促進させる脂肪ではありません。
肥満を引き起こす原因になる脂肪は白色脂肪細胞、ミトコンドリアが含まれる褐色脂肪細胞は熱を産生させる性質を持ち、体温調節を行う働きを持っています。
体内で熱を発生させることでエネルギーを作りやすくしてくれるので、肥満予防効果のための脂肪燃焼作用を高めてくれます。
しかし、褐色脂肪細胞は体内で増やすことはできず、存在している褐色脂肪細胞の活動を活発にする必要があります。
そのために有効な方法が肩甲骨を十分に刺激して動かすという方法です。
肩甲骨を刺激して可動域を広げ、筋肉を鍛えることで体内では熱を発生させる力が高まります。
そこでエネルギー源が増加し、しっかり脂肪燃焼作用を機能してくれるのです。
基礎代謝を高める
基礎代謝という言葉をご存知でしょうか?
基礎代謝が高い低いと表現しますが、私たちが何もしていない、つまり
- 寝ているとき
- 椅子に座りデスクワークをしているとき
- 移動中
など、体を動かすことを意識して行っていない状態でどれだけ代謝機能があるかというのが基礎代謝です。
基礎代謝が高ければ、何もしていない状態でも体内では代謝機能が働きかけ、痩せやすい体を維持してくれます。
反対に基礎代謝が低い人は、基礎代謝も高い人よりも代謝機能が劣っているわけですから太りやすい、痩せにくい性質というわけです。
ダイエット効果を高めるためだけでなく、そのスタイルを維持するためにも基礎代謝は高めておくことが重要ですが、肩甲骨の筋肉の状態悪化から全身に影響を及ぼし、骨盤の歪みを引き起こすと、基礎代謝を高めるために必要な血行促進効果が低下してしまいます。
何もしない状態でも体内で代謝機能を高めるためには、肩甲骨を十分に動かし、体幹を整えることも重要になってくるので、姿勢を整え、結構促進効果を高め、痩せやすい体質に変化させるためにも肩甲骨の筋肉をほぐし鍛えることが必要なのです。
血行促進効果を高める
血行促進効果は血液の流れだけでなく、リンパの流れもスムーズに行うことができる状態を作ることが大事です。
血行の流れが良くなっても老廃物を溜め込む原因になるリンパの流れが悪いと、ダイエットの妨げになる便秘の原因を作ってしまいます。
全ての原因を解消させ、痩せやすい体に変えてくれる方法としてもやはり肩甲骨ダイエットは有効です。
肩甲骨周りには多くのリンパが存在しています。
そのリンパを効率よく刺激することができるので、全身のリンパを刺激することができます。
肩甲骨はがしで肩甲骨を鍛えるメリット
肩甲骨の筋肉のコリを解消させ、肩甲骨の筋肉を上手に鍛えることで、肩甲骨はがしを行うことができます。
そこで高められる効果は
- 脂肪燃焼効果
- 代謝機能向上効果
- 血行にリンパの流れを促進させる効果
など、健康だけでなくダイエットにも嬉しい効果ばかりです。
肩甲骨はがしを行うメリットを見ていきましょう。
背中をスッキリさせる
しっかり肩甲骨を鍛えることで、背中に脂肪の原因にもなる菱形筋の機能を高め、落としにくい背中の脂肪もしっかりスッキリ落とすことができます。
バストアップにも効果を高める
肩甲骨の位置を固定することで背骨、骨盤の位置も本来の位置に固定させることができるので、姿勢の悪さから垂れ下がっていたバストも理想の位置にアップされます。
理想のウエストを手に入れられる
誰もが憧れるキュッと締まったウエストも、肩甲骨を鍛えることで背中の筋肉が本来の働きを行い、骨盤の位置を固定することで脂肪燃焼効果が高まり、ぽっこりお腹も解消することができます。
肩甲骨はがしストレッチのやり方5選を動画付きで紹介
習慣にすることで自然と痩せやすい、太りにくい体質に変えてくれる、さらには健康効果も高めてくれる肩甲骨ダイエット。
中でも自宅で簡単に好きな時間に行える方法、普段の意識を変えることで確実に効果を高める肩甲骨はがしストレッチのやり方を動画とともに紹介します。
【初級編】タオルを使って肩甲骨はがし
【やり方】
- 両手を広げて握れるくらいのタオルを用意する
- 椅子に座りタオルの両端を握り、ゆっくり高く上に上げていく
- ギリギリまでタオルを上げたらゆっくり息を吸う
- 息を吸いきったり息を吐きながら肘を曲げてタオルを肩の位置に下げていく
【初級編】自宅で簡単肩甲骨ストレッチ
動画の2分20秒あたりからのエクササイズになります。
【やり方】
- 足を肩幅に広げ、腕は手のひらを上に向け、体の横側に構えておく。
- 胸を反らし、肩甲骨を寄せるように両腕の肘を後ろにゆっくり引く。
- 後ろに引いた腕を胸を丸めながら胸より遠い位置まで前に持っていき手の甲同士をくっつける。
- 姿勢を正し、元の位置に戻る。
【中級編】肩甲骨ウォーキング
【やり方】
- 腕を大きく振ることを意識する
- 腕を振る時に引いた腕の肩甲骨を内側に寄せる
- 反対の腕も後ろに引くときに肩甲骨を内側に寄せるように意識する
【中級編】ゲッタマン体操
【やり方】
- 姿勢を正しリラックスして立つ
- ゆっくり息を吸いながら両手を頭の上で合わせる
- その頭の上の腕を手のひらを外側に向け、肘を後ろに引くようにしながら、胸の高さの位
- 置までゆっくり下ろしていく。この時、息を吐きながら下ろすのがポイント。
- 胸の位置まで腕を下ろしたら、ゆっくり息を吸いながら頭の上に戻し、手のひらを頭の上で合わせるこの動作を3回繰り返す
【上級編】バックエクステンション
【やり方】
- 自宅でヨガマットなどの上にうつ伏せに寝る
- 両腕は顎の下に置く
- お尻に力を入れるイメージで胸と足をゆっくり浮かせる
- 胸と足を限界まで浮かせたらゆっくり元の位置に戻す
肩甲骨ダイエットを行う際のポイント
肩甲骨ダイエットは毎日続けるにはキツすぎるという方法ではありません。
バックエクステンションは慣れてきてから行う必要がありますが、比較的に簡単に取り入れやすい方法ばかりです。
そこで抑えるべきはトレーニング中のポイントです。
タオルを使った肩甲骨はがしや肩甲骨ストレッチは呼吸法を意識しながら回数を少しずつ増やしていきましょう。
歩くだけの動作も意識を行うことでできる肩甲骨ウォーキングは、腕を振りながら歩くペースを意識して行い、徐々にペースを上げるとより効果的です。
今回紹介した中でも難易度が高いバックエクステンションは動画をしっかり確認しておこなうことはもちろんですが、バックエクステンション自体はスロートレーニングなので慣れるまではゆっくり、ゆっくりを意識して行いましょう。
肩甲骨ダイエットの本
肩甲骨ダイエットに関する本は幾つか発売されていますので、興味がある方はあわせて参考にしてみると良いでしょう。
肩甲骨ダイエットまとめ
今回は肩甲骨ダイエットをご紹介してきましたが、いかがでしたか?
聞いたことはあるけど実際にやったことはないという方も、肩甲骨ダイエットが意外と簡単で、なおかつ効果が高いことが理解できたのではないでしょうか。
是非、とりいれやすい肩甲骨トレーニングから取り入れていきましょう。