中性脂肪やコレステロールといえば、ダイエット中の方にとっては耳馴染みが深い言葉ではないでしょうか?
肥満気味の方はこれらの数字が高い傾向にあり、その数値が診断基準値を超えると〝脂質異常症〟だと診断されます。
脂質異常症は放っておくと、健康にも害を及ぼす危険性がある恐ろしい病気です。
そこで今回は2017年4月2日放送『健康カプセル!ゲンキの時間』で紹介された内容を元に、
脂質異常症とは何なのか、原因や診断基準について詳しくまとめました。
⇒脂質異常症の食事療法と運動!中性脂肪とコレステロールを下げるには?
脂質異常症とは?
脂質異常症とは、
血液の中のアブラのバランスが乱れてコレステロールや中性脂肪が高くなる病気
のことです。
放っておくと脳卒中や心筋梗塞、狭心症など、命に関わる重大な病気を発症する可能性もあるので恐ろしい症状です。
太っている人に限らず、細い人でも脂質異常症にかかっている人は多くいますので、気をつけるようにしましょう。
脂質異常症は血液検査でわかる
血液を採取して遠心分離すると、血液は血漿(けっしょう)と赤血球に別れます。
健康な人の血液は、このように血漿が黄色がかっています。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
脂質異常症の人の血液は、健康な人の血液と比べ、血漿が白く濁っていることがわかります。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
この白く濁っているものは中性脂肪やコレステロールなどのアブラです。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
脂質異常症は血圧と同じような感じで基本的に症状がないと言われています。
これも血液検査しないとわからないですよね。
なので、脂質異常症は無自覚の状態で動脈硬化などの症状が進んでいく恐ろしい病気なのです。
脂質異常症の診断基準値は?
脂質異常症は数値でもわかるようになっていて、
- 中性脂肪:150mg/dl以上
- 悪玉(LDL)コレステロール:140mg/dl以上
- 善玉(HDL)コレステロール:40mg/dl未満
と、このうち1つでも当てはまると脂質異常症と診断されます。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
しかし、こんな数字は覚えられないので、番組では語呂合わせの覚え方も紹介されていました。
その語呂合わせとは、
中世以降(中性脂肪150) 悪役衣装は(悪玉140) 派手だがヨレヨレ(HDL40)
となります。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
この覚え方が覚えやすいという方は、うまく活用してみてくださいね。
中性脂肪とは?
では、そもそも中性脂肪とは一体何なのでしょうか?
中性脂肪は、体内の細胞が正常に働くため血液中を流れる大切なエネルギー源です。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
生活をするうえで欠かせないものなので、中性脂肪=悪者ではありません。
しかし、増えすぎると血管に負担をかけ傷つけてしまいます。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
さらに、内臓の周りについてメタボの原因になったりもします。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
内臓脂肪は外から見てもわかりにくいので、細い人でも多い可能性があります。
太っていないからといって安心できないので、注意するようにしましょう。
中性脂肪が高くなる原因は糖の摂りすぎ
中性脂肪が高くなる原因は主に食事ですが、1番は炭水化物の摂りすぎです。
炭水化物は中性脂肪を作るための材料で、分解されるとブドウ糖となり、血中を流れます。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
血中を流れるブドウ糖は筋肉や細胞のエネルギー源となって代謝されます。
しかし、炭水化物を多く摂りすぎると
代謝しきれなくなり、ブドウ糖が中性脂肪に変化する
といった現象が起きるのです。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
つまり、余分な糖は全て中性脂肪になるというわけですね。
それではどれぐらいに炭水化物を抑えれば良いのかというと、
1日の摂取カロリーのうち、炭水化物は60%までが良いとされています。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
炭水化物はご飯やパン、麺類だけでなく、かぼちゃやイモ類など野菜にも多く含まれています。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
野菜だからといって多く食べ過ぎては、炭水化物過多になりますので、注意するようにしましょう。
フルーツにも果糖が含まれている
また糖分を控えるという意味で、フルーツを食べることにも注意する必要があります。
ビタミンやミネラルを多く含んでいるフルーツですが、糖の一種である果糖という成分も多く含んでいます。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
果糖は炭水化物が変化するブドウ糖と比べると、
代謝されにくく中性脂肪になりやすい
という特徴があります。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
よってフルーツの食べ過ぎも良くないのです。
中性脂肪が高い人は、1日に
- みかん1個
- りんご半分
を目安に摂取量を制限しましょう。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
フルーツといえば体に良さそうと思いがちですが、食べ過ぎは良くないのです。
スポーツドリンクにも要注意!
スポーツドリンクの中には甘いものもありますよね。
これは果糖を多く含んでいる可能性があるので注意してください。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
スポーツドリンクは、体を動かしている際のエネルギー源として糖を摂取するためのドリンクです。
運動もしていないのに、スポーツドリンクを飲むのはやめるようにしましょう。
悪玉コレステロールとは?
続いて、悪玉コレステロールとは何なのかについて見ていきます。
コレステロール自体も中性脂肪同様、本来なら体にとって大切なもので、
- 細胞膜
- ホルモン
- 胆汁酸
などを作る役割をしています。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
またコレステロールは悪玉と善玉の2種類があるのですが、それぞれ
- 悪玉:コレステロールを全身に運ぶ
- 善玉:余分なコレステロールを回収
という役割があります。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
体にとってなくてはならない役割を果たしているのです。
しかし、そのバランスが乱れ、悪玉が増えたり善玉が減ったりすると、
血液中に余分なコレステロールが残り血管壁に沈着してしまいます。
その結果、プラークと呼ばれるコブのようなものを作ってしまうのです。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
これが、あの恐ろしい動脈硬化というわけです。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
放っておくと心筋梗塞や脳卒中などの引き金となってしまうので、改善をおすすめします。
動脈硬化は生活習慣などから男性の方がなりやすいと言われていますが、女性も十分な注意が必要です。
女性は、女性ホルモンがあることで悪玉コレステロールが低く抑えられているのですが、閉経を境に悪玉コレステロールが高くなるのです。
なので、女性だからといって油断せず、予防に努めるようにしましょう。
コレステロール値が高くなる原因は卵の摂りすぎ
悪玉コレステロールが高くなる原因も主に食生活ですが、まず卵を食べすぎていませんか?
卵の中にはコレステロールが豊富に含まれていて、
全卵100gあたり420mg
と、食材の中でもトップクラスなのです。
しかも、卵黄だけで見ると
100gあたり1,400mg
と桁違いの数値に。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
卵黄は食事だけでなくお菓子にも多く含まれます。
- ケーキ
- シュークリーム
- エクレア
など、主に洋菓子が多いですね。
シュークリーム1個で卵半分のコレステロールに相当します。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
悪玉コレステロールが高い人は洋菓子よりも脂肪分が低い和菓子を選ぶようにしましょう。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
洋菓子より和菓子の方が太りにくいというのは、このコレステロール値からきているのです。
揚げ物の酸化コレステロール
また揚げ物の酸化コレステロールにも注意する必要があります。
揚げ物は、
- 再加熱
- 揚げ油の再利用
- 調理から時間が経って空気に触れる時間が長い
などによって酸化コレステロールという物質に変化することがあるのです。
酸化コレステロールは
- 悪玉コレステロールを高める
- 動脈硬化を進行させる
などの原因になるので注意が必要です。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
そこで揚げ物を食べられる際は、一工夫を施すことで酸化コレステロールを低くするようにしましょう。
その一工夫とは、まず揚げ物を調理する際に、少ない油で揚げ焼きにするということ。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
そして、揚げ油はなるべく少ない使用回数で処分することも重要です。
(出典:健康カプセル!ゲンキの時間)
このように揚げ物を食べられる際は、少しでもコレステロールを低く抑える工夫をするように努めましょう。
チョコレートも要注意!
チョコレートはダイエットに効果的で、チョコレートダイエットと呼ばれるダイエット方法もあるくらいですが、悪玉コレステロールが高い人にとって注意が必要なおやつです。
チョコレートには動脈硬化の予防に効果的なポリフェノールが含まれています。
しかし、同時に常温では溶けない飽和脂肪酸という油の塊も多く含まれています。
飽和脂肪酸はお肉の脂と同じなので摂りすぎると悪玉の数値が高くなってしまうのです。
コレステロールの吸収は個人差がある
食事で摂るコレステロールの吸収は個人差があって体質に関係があります。
実際の研究で、卵3個分のコレステロール750mgを2週間以上続けて摂取した場合、
全体の65%は数値に変化は見られなかったのですが、35%は悪玉が10%以上も増加したのです。
自分の悪玉コレステロールが高いとわかっている人は食材から吸収しやすい体質だということなので
コレステロールの低い食事を心がけましょう。
特に
- 魚卵
- レバー
- しらす
などは高コレステロール食材なので、なるべく避けてください。
まとめ
ここでは脂質異常症とは何なのか、中性脂肪やコレステロール値が高くなる原因とともに詳しくご紹介しました。
中性脂肪やコレステロール値が高いという自覚がある方は、
それらを高める食材を控えるようにして予防に努めるようにしましょう。
なお『ゲンキの時間』では脂質異常症に効果的な食べ物だったり、有酸素運動も紹介されたので、下記記事も参考にしてみてくださいね。
⇒脂質異常症の食事療法と運動!中性脂肪とコレステロールを下げるには?