食物繊維は、私たちの体作りに必要と言われる栄養素の1つ。
体作りだけでなくダイエット効果も高めることから積極的にバランスよく摂取したい栄養素です。
今回は、食物繊維の中でも特にダイエット効果を高める水溶性食物繊維に注目します。
水溶性食物繊維が多い食品やダイエット効果・効能、不溶性食物繊維との違いを解説し、上手に水溶性食物繊維が摂取できるおすすめレシピまで紹介します。
水溶性食物繊維とは?
栄養素と聞くと「五大栄養素」と言われる5つの栄養素を思い浮かべるかもしれません。
確かにこれまでは特に摂取を意識する栄養素として5つの栄養素をバランスよく摂取することを勧められていました。
しかし、私たちの体の健康を維持するため、体内の機能向上効果のためにも「食物繊維」もしっかり目安量を摂取することが必要と考えられるようになり、第六の栄養素として加わりました。
水溶性食物繊維は、その「食物繊維」のうちの1つになります。
第六の栄養素「食物繊維」の効果・効能
これまで食事からの摂取が必要と言われていた5つの栄養素に加え、同じように摂取量を意識する重要性があると言われる食物繊維にはどのような働きがあるのでしょうか。
食物繊維の主な働きとして整腸作用効果があります。
整腸作用効果を高めることができるのは食物繊維が私たちの体を健康に保つために必要な善玉菌を増やす働きを持つからです。
体内には体を健康な状態に保つ働きを持つ善玉菌、反対に増加することで内臓機能低下の原因になる悪玉菌、善玉菌、悪玉菌、どちらの働きも加勢する日和見菌が存在します。
善玉菌だけが存在していればいいわけでなく、悪玉菌にも必要な働きはあります。
体の機能低下や病気の原因になってしまうのは、体内で悪玉菌が増殖することが要因になるというわけです。
日和見菌は善玉菌が多く存在しているときは、善玉菌の働きを加勢します。
より効率よく体内の機能向上効果を保てるようになります。
食生活や生活習慣などの乱れから悪玉菌が増殖してしまうと、日和見菌は悪玉菌の働きを加勢するようになります。
悪玉菌が活発に活動するようになると、整腸作用を乱します。
その結果、肌トラブルだけでなく、ダイエット効果を半減させる便秘を発症します。
さらには内臓機能低下により、血行不良を起こしやすくなり、放っておくと血栓を作る原因になってしまい、脳梗塞、心筋梗塞などの命に関わるリスクも高めてしまうのです。
こうした病気のリスクを無くすためにも、また健康的な体作りを行うことからダイエット効果を高めるためにも、善玉菌を増やし整腸作用効果を高める食物繊維の摂取が勧められています。
食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類ある
食物繊維は
- 水溶性食物繊維
- 不溶性食物繊維
の2種類あります。
どちらにも善玉菌を増やす働きはありますが、性質の違いから体内での働きが少し異なります。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の違い
「水溶性食物繊維」は水に溶ける性質を持ちます。
水に溶ける性質から水分保持力が強く、体内で水に溶けることでゲル状に変化します。
「不溶性食物繊維」は水に溶けない食物繊維で、胃や腸で水分を吸収する性質を持ちます。
体内で水分を吸収しながら移動していくので大きく膨らみ、腸のぜん動運動を活発にしてくれます。
この働きから特にデトックス効果を高める食物繊維です。
水溶性食物繊維の方がダイエット効果が高い!
デトックス効果を高める不溶性食物繊維の方が、ダイエット効果を高めやすいと考えてしまいますよね。
しかし、実は水に溶けることでゲル状に変化する水溶性食物繊維の方が、体内でのダイエット効果を効率よく高めてくれます。
ゲル状に変化し粘り気を持つ水溶性食物繊維は、肥満の原因になる血糖値の上昇を抑えてくれます。
同時にコレステロールなどの脂質を水溶性食物繊維の持つゲル状に変化する性質から吸着し、体外へ排出する効果も高めてくれるのです。
水溶性食物繊維のダイエット効果・効能
では、水溶性食物繊維のダイエット効果について詳しく見ていきましょう。
整腸作用効果
水溶性食物繊維を摂取することで効率よく腸内で善玉菌を増やすことができます。
その働きから溜め込んでしまった老廃物を体外へ排出する働きを促進させます。
老廃物は時間が経つとガチガチの状態に変わり、上手く排出することが難しくなってしまいます。
溜め込んでしまった老廃物を効率よく排出させるためには腸内の働きを正常に戻すことが重要になり、そのためにも善玉菌を増やす方法は有効な方法なのです。
暴食抑止効果
水溶性食物繊維は体内に摂取するとゲル状に変化します。
不溶性食物繊維は膨らみ、腸内のぜん動運動を高めます。
体内に摂取することでどちらも性質が変わり、この性質から満腹感を感じることができます。
食事の際に食物繊維から取り入れる意識に変えるだけでも、摂取量を抑えることができるのでダイエット効果につながります。
血糖値の急上昇を抑える効果
ダイエット効果を高める働きとして最後に紹介するのが血糖値の上昇を抑える効果です。
血糖値が急激に上昇することで体内ではインシュリンが大量に分泌され、糖質を取り込みやすくなってしまいます。
こうした状態が続くことで太りやすく、痩せにくい体質になってしまい、現代病ともいわれる糖尿病リスクを高めます。
特に水に溶ける水溶性食物繊維は他の栄養素を包み込み移動する性質を持つことから糖質の消化や吸収を穏やかにし、血糖値の上昇を抑制させてくれます。
水溶性食物繊維が多い食品一覧
- アボガド
- ほうれん草
- ごぼう
- 海藻類
- あしたば
- 納豆
- オクラ
- 山芋
積極的にバランスよく取り入れたい水溶性食物繊維は身近に食品に豊富に含まれています。
特に最近ではアボカドの健康効果から料理に取り入れる方も増えていると思いますが、そのアボガドも水溶性食物繊維が豊富に含まれています。
ほうれん草やごぼうなど調理しやすい野菜にも水溶性食物繊維は含まれています。
海藻類やあしたば、どの食品がいいか分からない…という時にはネバネバ系を選ぶのも選びやすい方法です。
日本の食卓に欠かせないものといえば、納豆。
納豆ももちろん水溶性食物繊維は含まれていますし、オクラや山芋などからも上手に取り入れることができます。
水溶性食物繊維の性質からダイエット効果を高める方法
身近な食品から水溶性食物繊維は摂取できますが、水溶性食物繊維ばかりに偏ってはせっかくの効果も半減してしまいます。
意識を高めて効率よく効果を高めるためにも押さえておくべきポイントを紹介します。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスを意識する
食物繊維の理想摂取目安量は女性なら1日17g以上と言われています。
また摂取バランスは水溶性食物繊維1に対して不溶性食物繊維2が理想です。
水溶性食物繊維からダイエット効果を高めるためにも、必要な摂取量のバランスを考えることも大事です。
また取りすぎは逆に便秘などが悪化する原因にもなりますので、毎日適量を取り入れるようにしましょう。
不溶性食物繊維を豊富に含む食品
- いんげん豆
- きくらげ
- あしたば
- えだまめ
- モロヘイヤ
- 納豆
食事の基本は「和食」を中心にする
基本的に食事は和食中心を意識しましょう。
和食を意識することで豆類の摂取頻度が増えます。
野菜も取り入れやすくなり、自然と食物繊維をバランスよく摂取することができるようになります。
調理法は「茹でる・煮る」がおすすめ
調理法にも少しポイントがあります。
なんとなく理解はできると思いますが、食品に含まれる栄養素を損なわずに体内に取り入れるためにも揚げる、焼くなどの調理法ではなく茹でる・煮る、調理法がおすすめです。
おやつはドライフルーツや干し柿がおすすめ
ダイエットを意識すると普段よりも空腹を感じやすくなります。
ストレスからくるものなのか、我慢しているという意識からなのか…
そんな時でも食物繊維を含むおやつを取り入れることで罪悪感も少なくてすみます。
おすすめは栄養素が豊富に含まれているドライフルーツ、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれているあんずです。
バランスよく必要な栄養素も取り入れる
食物繊維の働きからダイエット効果、健康効果を高めるためにも、五大栄養素の働きもしっかり理解しておきましょう。
五大栄養素の中でも筋肉や内臓、皮膚などの主要な構成成分になるのがタンパク質、脂質です。
ダイエットのために制限しがちな炭水化物は、体を動かすエネルギー源ですので、極端に制限するのではなく摂取量を考え、食物繊維の効果を高めるためにもバランスよく取り入れましょう。
エネルギーとしての働きはありませんが、ビタミン・ミネラルには摂取したタンパク質や脂質、糖質の分解や合成させる働きがあります。
ビタミン・ミネラルが不足すると体内では余分な脂肪を溜め込みやすくなるので、やはり食物繊維の効果を高めるためにもどの栄養素もバランスよく摂取するということは重要になります。
水溶性食物繊維ダイエットおすすめレシピ
水溶性食物繊維のダイエット効果と効果を高める方法を理解できたら、あとは毎日の食事を少し意識するだけです。
最後におすすめレシピを5つ紹介します。時間をかけずに調理できるレシピばかりなので参考にしてみてください。
食物繊維たっぷりサラダ
【材料】
ほうれん草 1束
生ナメコ他キノコ類 好きなだけ
ウインナー 4本
オリーブオイル 適量
醤油 適量 お好み
マヨネーズ 適量 お好み引用:クックパッド
【作り方】
- ほうれん草を水洗いしたら、お好みのサイズに切ってそのまま皿に盛り付ける。
- 生ナメコなどキノコ類の石づきをカットしておく。
- フライパンにオリーブオイルをしき、ガーリックパウダーを適量入れる。
- 香りが出てきたら、ウインナーを炒めて火を通し、その後、キノコ類を入れて炒める。
- 炒めたウインナーとキノコ類を、ほうれん草サラダの上に乗せる。
- 全体にマヨネーズを適量かけ、お好みでアボカド(水溶性食物繊維)を乗せれば完成。
アボガド種茶
【材料】
アボガドの種 1個
お水 1.2リットル引用:クックパッド
【作り方】
- アボガド(水溶性食物繊維)の種を厚さ2、3mm程度に切る
- 水の中に入れ中火で30分程度煮出す。
- アボガド(水溶性食物繊維)の色がしっかり赤色になったら、いつでも飲める水溶性食物繊維ドリンクの完成!
真昆布入りきのこの炊き込みご飯
【材料】
お米 2合
●真昆布細切り 10g
●しめじ 1/2袋(50g)
●舞茸 1パック(90g)
●人参 1/3本
●ごぼう 1/2本(100g)
●いりこ5g
★醤油(がごめ昆布醤油使用) 小さじ2
★料理酒 大さじ1
★みりん 大さじ1
★塩 小さじ1/2引用: クックパッド
【作り方】
- 【下準備】ごぼう(水溶性食物繊維)はささがき、しらたきは水にさらしてアク抜き、人参(不溶性食物繊維)は千切りにし、しめじ(不溶性食物繊維)と舞茸は小房を分ける。いりこは頭とはらわたを取り除く。
- 研いだお米を炊飯釜に入れる。★を加え混ぜ合わせて2目盛りまで水を加える。その上に●をのせ炊飯。
- 炊けたらしっかり底から混ぜ、いりこを取り出す。野菜たっぷり美味しくてしっかり水溶性食物繊維も摂れる炊き込みご飯の完成!
豚肩切り落としで豚汁もどき
【材料】
豚肩ロース切り落とし肉 200g
白ねぎ 1本
レンコン(冷凍) 200g
合わせ味噌 大さじ5
わかめ(乾燥) ひとつまみ(10〜20g)
昆布だし(顆粒) 8g
水 1000cc
水(アク取り後に加える)500c
引用: クックパッド
【作り方】
- 豚肉は食べやすい大きさに切り、砂糖をまぶす。鍋に火をつけ豚肉の色が変わるまで炒める。
- レンコン(水溶性食物繊維)は耐熱容器を利用してレンジで解凍し、食べやすい大きさに切る。
- 白ネギは斜め切りにして、味噌以外の具材を全て入れて中火で煮る。
- アクを取りながら全てに火が通るまで煮たら、最後に火を止めて味噌を溶き入れたら、栄養満点豚汁の完成!
わかめと納豆のぶっかけ素麺
【材料】
素麺 1束
★納豆 1パック
★海藻ミックス 2g
★大葉(千切り) 2枚
★ふのり 2g
いりごま 大さじ1
青ネギ(小口切り) 少量
●かつお昆布醤油ダレ(レシピID4547782) 10cc
●水50cc引用: クックパッド
【作り方】
- ●を混ぜ合わせめんつゆを作り冷蔵庫で冷やす。
- 海藻ミックスは固めに水で戻し水気を絞る。
- そうめん(水溶性食物繊維)はゆでて、ぬめりを洗い流し氷水でしめ、水気をきって器に盛る。
- ★を混ぜ合わせて、そうめんの上にのせる。仕上げに青ネギ、いりごま(不溶性食物繊維)をちらして●を注いだら、水溶性食物繊維も不溶性食物繊維もバランスよく摂取できる簡単そうめんの完成!
水溶性食物繊維ダイエットまとめ
いかがでしたか?食物繊維の中でも水溶性食物繊維と不溶性食物繊維では性質や働きが異なります。
食物繊維ならダイエット効果を高めるという知識だけではなかなか効果を高めることはできません。
大事なことは水溶性食物繊維の働きを知り、正しい方法で食事に取り入れることです。
水溶性食物繊維の本来の効果を高めるためにも今日から少しずつ食事の意識を変えていきましょう。